聖なる夜の双子たち今日は12月24日 クリスマス…と、言う事で、ゲンキ達一同は、部屋を飾ってパーティーを開く事にしました。 ゲンキ「…飾りつけは、この位で良いか。」 グミ「じゃ~終わり~?」 ゲンキ「そうだな。」 アメ「…あ~、終わった終わった~♪」 アメモンとグミモンは、持っていた物を放り投げて、遊びに行った。 オルト「コラ!物をやりっぱなしにして行くな!!」 …しかし、オルトがそう言った頃には、もうすでに二人の姿は見えなかった。 オルト「…ったく。」 オルトは、そう言うと、二人がやりっ放しにして行った物をかたずけ始めた。 チョコ「…ゴメンね、オルト。」 チョコモンは、一言そう謝ると、一緒にかたずけ始めた。 オルト「…そう言えばサンダーは?」 チョコ「え…あれ?さっきまでそこに居たのに…アメたちと遊びに行ったのかなぁ…。」 オルト「…それは違うと思うけど……とりあえず、オレちょっと探してくる。」 チョコ「あ、うん。」 オルトは、サンダーを探しながら、部屋を廻っていた。 オルト「いねぇなぁ…。」 オルトがそう言いながら、窓の方をみると、外では雪が降っていた。 オルト「うわぁ…こりゃ、外はすげー寒さだろうな。………って…居た。」 …窓の隅に、サンダーが(たまたまあった木箱の上に乗って)居た。 サンダーは、何だか寂しそうな顔をしていた。 オルト「サンダー?」 オルトは、そう言いって、窓際に置いてある、木箱の上に飛び乗った。 サンダー「…オルトロス…。」 オルト「…どうしたんだよ、こんな窓際で。寒いだろ?」 オルトは、そう言いながら窓ガラスを右前足(人間で言う右手)で拭いた。 サンダー「オルトロス…?」 オルト「…窓、拭いた方が…少しは暖かいような気がしてさ。」 オルトは、そう言って笑った。 サンダー「…多分…同じだと思うよ?」 オルト「そう言うなよ;…あのさ、今日、雪が降ってんだぜ。」 サンダー「雪?…へ~、じゃあ今日はWhite Christmasなんだ。」 サンダーは、寂しそうな表情をしたまま言った。 オルト「そう言うこと。…だからさ、何でそんな表情(かお)してんの?折角のホワイト・クリスマスなのにさ。」 サンダー「え……?」 オルト「…お前さ、ずっと寂しそうな顔してるぜ?何で?」 サンダー「…だってさ、折角グレイとも会えたのに、一緒にクリスマス過ごせないし、それに…」 サンダーは、そこまで言うと口を濁してしまった。 オルト「…それに?」 サンダー「……それに…クールも、居ない。」 オルトは、サンダーのその言葉を聞いてハッとなった。…クールとは、オルトの双子の兄の事だ。 …オルトは、少し困ったような、悲しいような顔をした サンダー「…オルトロス?」 オルト「ごめ…ありがと。サンダー、クールの事考えててくれたんだな。…オレ、毎日楽しかったり忙しかったりで、 クールの事うっかり忘れてた。」 オルトは、泣きそうになりながら言った。 サンダー「…オルトロス………無事だといいね、クール。」 オルト「あぁ。…けど、多分平気だよ、クールは。…なんてったって、オレの兄貴だぜ?クールはさ。」 サンダー「うん、そうだね。」 オルト「そうさ。きっと今頃は、クールだってクリスマスを祝ってるさ。」 サンダー「…うん...そう、そうだよね。」 サンダーがそう言うと、二人は笑い合った。 そして、所変わって人間界… 女の子のデビチル、要ミライと、男の子のデビチル、甲斐セツナと、その相棒の住む要家でも、クリスマスパーティーが行われていた。 青い犬「へっくしょん!!」 窓際で寝ていた青い犬が、突然くしゃみをした。 セツナ「大丈夫か?クール。」 ミライ「風邪?」 二人のデビチルは、青い犬(この犬がクールらしい)を心配そうに覗き込んで言った。 クール「…いや、大丈夫だ。…誰かが噂でもしているんだろう。」 ミライ「そう?…ならいいけど…。」 クール「あぁ。」 クールはそう言って、窓のほうに向き直った。 セツナ「あ…雪だ。」 …窓の外には、雪が降り始めていた。 ミライ「本当~、ロマンティックね~。」 クール「…White X'mas…か。」 クールは、そう言いながら、弟であるオルトや、友達であるサンダーやグレイ、そして、ケルベロスの里の皆の事を思い出していた。 クール「…皆、生きていてくれれば良かったんだが…。」 クールは、ポツリとそう、呟いた。 クリスマス 聖なる夜に 来年こそは会えたらな と思う者達 グレイ「…あ~あ、クールもサンダーもオルトロスも……来年は、会える機会…作ってやれると良いんだけど…。」 全てを知るのはただ一人… 2つの世界を行き来しつつふと思う 雪の降る 聖なる夜に 皆の願いが 叶いますよう そう 皆は切に願う …えっと、そう言えば今まで何の説明もしてなかったような気もしますが、 クールとオルトは、実は(私の中では)、双子だったりします; …それで、グレイは何故かあちこちの世界を行き来できる、と言う設定も… …あったりなかったり…(どっちやねん)。 |